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特許翻訳やクレーム解釈に関連する興味深い情報


USPTOの特許料金改定 2025.04.27
・37CFR§1.17(e)(1) Request for Continued Examination (RCE)
⇒$2,860 (初回:$1,500)
・37CFR§1.16(j) マルチクレーム ⇒ $925
・37CFR§1.16(h) 独立クレーム4件目以降 ⇒ $600/件
・37CFR§1.16(i) 総クレーム21件目以降 ⇒ $200/件

EPOの特許料金改定 2024.04.01
・015 - クレーム16件目以降 ⇒ EUR 275/件
・501 - 36ページ以降 ⇒ EUR 17/ページ

The Chamberlain Group, Inc. v. Techtronic Industries Co. Ltd., CAFC (2019), N.D. IL (2017)

 当初出願の請求項には、無線により動作状態を通信可能なガレージドアオープナーが記載されていた。しかし、出願当時の技術水準においては、ガレージドアオープナーおよびその無線通信手段はいずれも周知技術であった。USPTOの審査過程では、4回の拒絶理由通知(Office Action)および2回の継続審査請求(RCE)を経て、以下の制約を含むことを条件に特許が成立した:(1)無線信号が装置認識情報を含むこと、(2)無線信号が2つ以上の動作状態情報を含むこと。その後、特許侵害訴訟が提起され、地方裁判所では当該特許の有効性が認められたものの、連合巡回控訴裁判所(CAFC)は、汎用の通信機器と従来技術のガレージドアオープナーとの組み合わせは、単なる抽象的なアイディアにすぎないと判断し、35 U.S.C. § 101に基づき特許適格性が否定した。

低木画像: Jacksons Fencing, UK
“Crafted for Life, Made with Passion”

Chamberlain v. Techtronic, Federal Circuit 2019
Chamberlain v. Techtronic, Federal Circuit 2017 (for Markman)
Chamberlain v. Techtronic, N.D. IL 2018
Chamberlain v. Techtronic, N.D. IL 2017
Chamberlain v. Techtronic, N.D. IL 2017 (Markman)
USP 7224275
USP Application 10/447663 (抜粋)

American Axle & Manufacturing, Inc. v. Neapco Holdings LLC, CAFC (2019/2020), D.C. DE (2018)

 この発明は、自動車のドライブシャフトにおける複数の振動モード(下図参照)を低減することに成功したとされている。クレームでは、「ライナーの調整工程(tuning)」および「ライナーの位置決め工程(positioning)」によって、これらの振動モードが抑制されると記載されているが、クレーム22の調整工程は35 U.S.C. § 101において「自然法則(natural law)」と見なされ、クレーム1の調整工程および位置決め工程は「抽象的なアイデア(abstract idea)」と見なされる傾向だ。いずれの工程についても、具体的な実施手順や解析方法(例:有限要素解析やモーダル解析)の記載がなかったため、地方裁判所は略式判決により特許を無効とした。CAFC(連邦巡回控訴裁判所)でも、クレーム中で暗示的に言及されているフックの法則や摩擦減衰といった「自然法則」の取り扱いが議論され、裁判官の間で意見が分かれた。

USP 7,774,911

American Axle, Federal Circuit
American Axle, D. DE
USP 7774911

Stylwan IP Holding, LLC v. Stress Engineering Services, Inc., CAFC (2025), S.D. TX (2020)

 本発明は、パイプをはじめとする工業材料の非破壊検査を行いながら、データベースに基づく識別子方程式を用いて、自動的に劣化判定を行うシステムに関するものである。しかしながら、クレームは、手動による処理も含み得るほど広範に記載されており、使用する具体的な方程式についても特定されていなかった。地方裁判所は、本件発明について特許適格性の問題は認めなかったものの、明細書および審査経過といった内的証拠に加え、35 U.S.C. § 112に基づく実施可能要件を根拠として、クレームには以下の限定が含まれると解釈した:(1) 検査および判定が自動的に実行されること (2) 明細書に記載された3つの特定の方程式を使用すること。連邦巡回控訴裁判所(CAFC)も、地方裁判所のクレーム解釈および無侵害の判決を支持した。

Stylwan IP Holding, Federal Circuit
USP 8050874

Ariosa Diagnostics, Inc. v. Sequenom, Inc., CAFC (2015), N.D. CA (2012)

 本件特許の発明者らは、胎児由来無細胞DNA(cffDNA)が自然に母体血液中に存在することを発見し、父親由来のcffDNAの検出およびそれを利用した胎児期診断に関する方法のクレームによって独占権を取得した。しかし、当該特許は侵害訴訟において、cffDNAが母体血中に存在するという自然現象に基づき、従来のcffDNA検出手法を適用したにすぎないと判断され、35 U.S.C. § 101に基づき特許適格性が否定された。

Ariosa v. Sequenom, Federal Circuit
Ariosa v. Sequenom, N.D. CA
USP 6258540

Ex parte Putre, PTAB (2008)

 三脚を安全に片手で持ち運べぶためのハンドル(下図(右、緑))は、便利そうな発明ですが、審判の判事は、引用特許の固定ネジ(下図(左、赤))でも、手首が挟まれ指を痛めながらであれば同様に使えることにより新規性を認めなかった。「While ... awkward, ... it does not appear to be impossible」とのことだった。

先行技術:Dalton US 2,668,682 (1954) 出願:PTAB Appeal 2008-1701 (2008)

Ex parte Putre, Federal Circuit

Superguide Corporation v. DirecTV Enterprises, Inc., CAFC (2004), W.D. NC (2002)

 テレビガイド要約サービスに関する本件では、「program start time」などの項目について、クレーム中に「at least one of A, B, C, and D」という表現が用いられた。被疑侵害者製品は「A, B, C」のみを備え、「D」を含まない構成であったと推測される。このため、特許権者は当該表現を「A、B、C、Dのうち少なくとも一つ」という本来の意味で解釈するよう主張したが、この広い解釈では、発明が従来技術を包含することになり、新規性欠如によって特許が無効となるとの点で、裁判官らは一致した見解を示した。結果として、特許権者の主張は認められず、「Aの中から少なくとも一つ、Bの中から少なくとも一つ、Cの中から少なくとも一つ、及びDの中から少なくとも一つ」という限定的な解釈が採用された。このような解釈に至った理由は、文法的な問題ではなく、実体的な判断によるものであるが、現在でも「at least one of A, B, C, and D」という表現の曖昧さを避けるために、「at least one of A, B, C, or D」など、より明確な表現に置き換える工夫が分野ごとになされているようだ。

USP 5,038,211

Superguide v. DirecTV, Federal Circuit

In re Schreiber, CAFC (1997), PTAB (1996)

 ポップコーンジョウロ(下図、右)は、衛生的で便利そうですが、先行技術のオイルのジョウロ(下図、左)に対して新規性欠如で拒絶。しかし、審査実務における三極比較研究(USPTO、EPO、JPO)の新規性に関する比較研究結果(2009年11月公表、下記リンク参照)も加えると、新規性あり:7名、新規性なし:9名の評価になるようだ。

先行技術:Swiss No. 172,689 (1935) 審判:PTAB (1996)

In re Schreiber, Federal Circuit
Trilateral Novelty Study: Hypothetical and Real Cases

Apple, Inc. v. Samsung Electronics Co., Ltd., CAFC (2012), N.D. CA (2012)

 「Each」の使い方に注意が必要だ。特に「each = ~の全て」のとき、その「全て」の範囲が明確でないと、意図しない部分が包含され不利な解釈になることもある。本件では、「いくつかのモジュール」を指して「each」を用いたところ、「携帯電話内の全てのモジュール」を意味すると解釈されてしまった。

USP 8,086,604 (filed 2004)

Apple v. Samsung, Federal Circuit, 12-1105

Superior Fireplace v. Majestic Products Company, CAFC (2001), C.D. CA (2000)

 余分な ‘s’ が一つあるだけで、クレームの効力が失われることもあり得る。本件では、被告のガス暖炉構造には後側反射板が1枚しかなく、侵害は認められなかった。

        rear wall ≠ rear walls

USP 5,678,534 (filed 1995)

Superior Fireplace v. Majestic Products, Federal Circuit
Superior Fireplace v. Majestic Products, C.D. CA

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David Keen Fowler
 アメリカ合衆国アラバマ州ラングデール町生まれ。米国バンダービルト大学工学部機械工学科およびイリノイ州立大学大学院理論応用力学部修士課程卒業後、正社員の技術者として日本の超精密メーカーに入社。14年間にわたり技術者として従事した後、個人事業として特許翻訳業を開始。